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その後のパリの様子(2015年11月21日)
友人の友人が「今度パリへ観光に行く予定なのだけど色々心配なので現地の人から雰囲気をなんか教えてもらいたい」と僕の友人に言ったとのことでお鉢が回ってきました。その方あてに僕の視点からのパリの様子を書いたので、それをちょっと修正したものを以下に貼っておきます。



状況は刻々と変わっているように思いますので、最新の情報を追うのが大事だと思います。まず情報発信媒体を以下にいくつか挙げます。(フランス語媒体は除きます)

◆日本語でフランスの情報
フランスで生活する日本人のためのサイトです。見る限り「ニュースダイジェスト」はそれなりに活発に情報発信しているようですが、他のソースは更新頻度の関係なのか現時点で未だテロ関係の発信をしていないものもあります。ただ普通の観光情報のソースとして使うことも可能かと思うので3つ載せておきます。
フランスニュースダイジェスト
オヴニー
ジモモパリ

◆英語でフランスの情報
ほぼリアルタイムで情報提供しているサイトがかなりあります。2つだけ載せますが「France」「News」「English」とかで検索すれば他にもいろいろ見つかるかと思います。
France 24
The Guardian

◆その他
在フランス日本大使館は滞在者向けに以下のメッセージを出しています。
3か月未満の旅行や出張などの際には,海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう,「たびレジ」に登録してください。
(詳細はhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/#参照)


ここからは僕が観察していてのパリの様子です。まず都市の機能について。

11月21日現在、都市の機能はほぼ回復しているように見えます。交通機関も観光地もスーパーマーケットも郵便も、基本的な機能で何か大きな変化があったというようには把握していません(個別には閉めている観光地もあるかもしれません)。

19日にメトロに乗ったところ、「駅構内で不審物が発見された」とのことで徐行運転をしていました。こうした交通機関の乱れはテロ以降何度か起きているようですが、ただその後にそれが実際に危険物だったという報道は見ていません。テロで用心深くなった市民がそこらへんのものを不審物として見て通報するようになっただけかと思っています。

シャンゼリゼ通りのクリスマスマーケットは実施中、同所イルミネーションは点灯が延期され、リヨンで毎年開催されている「光の祭典」という大イベントは中止になりました。多くの人が集まるこうしたイベントはそれぞれ治安維持の観点に照らして実施・中止の判断がされているのだと思います。

町中には警察が多く配置されています。観光地により多く配置されているのは間違いないでしょう。個人的にはそれなりに安心感があるかなと思っています。

空港ですが、ちょうど昨日パリのシャルルドゴール空港へ降り立った友人によると「すごく普通、朝方で人が少なかったからかいつもよりスムーズに感じた」そうです。この友人は上海乗換でしたが、出発地によっても状況は違うかもしれません。というのも僕が昨年11月にウガンダへ遊びに行った帰り、ケニアで乗り継いでパリへ戻った時には飛行機を降りて少し行ったところに警察官が立っていて全員のパスポート確認をしていました。当時はエボラが非常に問題になっていて、その関係かもしれません。渋滞になって通過に時間がかかったので、場合によっては想定しておいた方が良いでしょう。

他方、テロ後にフランスを出国した友人の話はまだ聞いていません。ニュースなどでは「セキュリティを強化しているので早めの空港到着を」と言っているので従った方が良いと思います。その上でさらに少し気になるのは上述のような「不審物」による交通機関の乱れのリスクです。シャルルドゴール空港もオルリー空港もパリ市内から電車で行こうとするとRERのB線というのに乗るのですが、このB線はもともとダイヤが乱れがちでもあるので、その上に不審物リスクもあると考えるとバスやタクシーの方が良いかもしれません。バスならロワシーバス、エールフランスバス、最近登場したイージーバスあたりが選択肢です。とは言えテロ発生後、公共交通の利用を避けて自動車を利用する人が増えているようですので、通勤通学時間帯などは特に大渋滞が発生しうることをご考慮ください。


次に人々の様子について少しだけ。

人々はけっこう普通に生活しているように見えます。学校や会社も普通にやっているようです。公園に出かけたら散歩やジョギングをしている人がたくさんいました。

ただし、これは僕自身が緊張感のある目で見ているから感じるだけかもしれませんが、どこか緊張感はあるかなと思います。例えばメトロの乗客同士が口論をすることくらいは以前からたまにあるのですが、テロ後のメトロで口論が始まった瞬間、周り一帯にかなりの緊張が走ったように思いました。

ちょうど早朝にサンドニの作戦が行われた日(18日)の夕方だったことも勿論あるでしょうが、カフェではニュースが流されていて、かじりつくように見つめている人がいました。他方で全く気にしないそぶりで本を読んでいる人、仲間と談笑する人などもいました。カフェを楽しむことはフランスの大切な文化なので、テロに屈せずに文化を貫くという意志が働いているように思います(「テラスでカフェを楽しもう」という運動も起きているようです)。

会話をちょっと盗み聞きすると、「ひどい!おそろしい!」と感情を抑えきれない人もいますが、普通の話題の人が多いです。笑顔も普通に見られます。無理して平静を装っているのか実際に平静を取り戻しつつあるのかは知りうるところではありません。おそらくその両方なのでしょう。

余談ですが最近のパリは昼間の時間がとても短くなりました。朝8時ごろにようやく明るくなり、夕方5時半ごろにはもう暗い。おまけにここ数日間はしとしとと雨も降り続き、気温も最低5度の最高7度とか、なんかこう、ひもじい。一度気分が落ち込んだら落ち込みっぱなし。明日は久しぶりに晴れるようなので、公園にでも行って気分転換してこようと思います。おしまい。
by kan-net | 2015-11-22 09:09 | 暮らし
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