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【ハリキリ通信#002】マニラライフ
2009年8月25日
マニラ(フィリピン)にて

ごきげんよう。第一号からずいぶん間が空いてしまったため死んだのか廃刊かなどと様々な憶測を招いたと思われるが、老いてなお私は元気であるし執筆意欲も衰えていない。さて今回はフィリピン・マニラでの生活の様子をご紹介しよう。

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マニラの朝は早くも遅くもない。カーテンの隙間から射し込む眩しい朝陽に目覚め、窓の外を見ると新鮮そうな果物を台車いっぱいに積んだオバサンたちが常連のお客さんや同業者と楽しそうにお喋りしている、なんていう所謂「東南アジア」の爽やかな朝とは無縁だ。まず今ここマニラは雨季。眩しい朝陽どころか夕方と見まがうようなドンヨリとした外の薄暗さに寝坊かと焦って飛び起きる。眼下の道路に目をやると思い思いの装いに身を包んだ人々をまばらに乗せたジプニーが、排気ガスを残して走り去っていく。そんな朝だ。

人々は9時のオフィスアワーが近づくと、思い思いの装いに身を包んで車やジプニー、鉄道に乗り込み職場へ向かう。我々調査団もしれっと8時半にホテルを出発し、車で事務所へ向かう。ホテルから事務所までの距離はたったの2km足らず。しかしその道のりの途中には恐るべき難関が待ち構えている。その名も「エドゥサ通り」。そう、足を踏み入れたが最期、未曾有の大渋滞に人々を招き入れ、完膚なきまで足止めを食らわせるというので巷で話題沸騰の、あのエドゥサ通りである。先日はこのエドゥサ通りの凡そ400mを通過するのに約20分間かかった。侍ハードラーならば障害があってもものの48秒で走り抜けてしまう距離だというのに、である。こうした大難関を乗り越えながら、我々を乗せた車は2kmという遥かな道のりを合計約5~30分間かけて走り抜ける。渋滞に身を任せながら脳裏をよぎるのは、歩いたほうが断然良いのではないかという思いと、少しでも前に食い込もうとして渋滞を悪化させているドライバーの賃金である。

事務所は相手国省庁の支部敷地内にある。到着して最初にすることはインターネットの確認だ。メールチェックなどという高尚なことなどまさか望むまい。インターネットが利用できるか否かの確認をするのである。マニラの事務所で仕事をして3週間だが、3時間以上正常に接続できたのは4日間程度であろうか。建物全体のインターネットが停止しているらしく、ローカルスタッフに聞くと「雨の影響だ」と言う。ぬかせ。こんな時につくづく思うのは、ルーターだの何だのといった機器の扱いをちゃんと勉強しておけば良かったということ、そして支部とはいえ省庁がこれじゃアカンヤロである。

昼食は敷地内の食堂で摂る。これくださいあれくださいとバアサンに一つひとつ取ってもらって会計に進む東南アジアにありがちな飯屋で、食費も高々60~100ペソ(120~200円)と大変お手ごろ。味は割と良く、フィリピンでの職歴長き先輩が「フィリピン料理ならこの食堂が一番マシだ」と言い放つほど。それは流石に言い過ぎだろうと思うが(というか別に褒め言葉にもなっていないが)、これまでに行った数々の切ないレストランを思い浮かべると、確かにこの食堂は比較的まともなフィリピン食を体験できる数少ない隠れスポットと言えるかもしれない。なお個人的に一番しっくりくるのはいつも微笑みが素敵な右端のバアサンがよそってくれるコンソメスープ(具なし)だ。

「ガンガンに冷房をきかせていることが一種のステータス」とは途上国でよく言われることだが、フィリピンもまたその例に漏れないようだ。外気温の高まりに煽られたかのごとく、昼過ぎになると事務所の冷え込みは極限に達する。荘厳にそびえる巨大クーラーはけたたましい機械音を立ててその威力を増し、麓で逃げ惑う邦人(つまり僕)に牙をむく。遠のく意識の中、吹き飛ばされる書類を必死に押さえる邦人の目に飛び込んでくるのは扇子まがいのもので涼をとる半袖のローカルスタッフ。嗚呼、異文化交流(?)。なお来比一週間後にマニラへ遊びに来た盟友スギモリ君からジャージを借用し、その後は比較的平穏無事な事務所生活を送っている。ありがとうスギモリ。

仕事を終えてホテルに戻った後、夕食は希望者が集って周辺の料理店で摂る。我々の滞在しているホテルの一帯はちょっとした繁華街になっており、各種料理店が顔を揃える。その顔ぶれの豪華なこと。日本料理(フィリピン風)、中華料理(フィリピン風)、スペイン料理(フィリピン風)、さらには地中海料理(フィリピン風)まである。肝心の味は、、料理というのはやはりどうしてもフィリピン人の創作意欲を掻き立ててしまうらしい。なぜその調味料を入れてしまうのか。なぜカドをとらない!時には疑問を通り越して怒りすら感じるほどであるが、中には単純に美味い店もあるので今後仕事や旅行でマニラに来る読者はぜひホリキリまでご一報入れられたし。(ただしケソン市周辺に限る。ケソン市とは東京で言うところの「調布みたいな位置づけ」(ベテラン調査団員談)である。)

夕食の後はホテルに戻り、ビールを飲みながらインターネットにアクセスして本邦からの業務命令に対応する。夜も更けてくるとホテル下方から心地悪い重低音。二階に入っているクラブが夜通し大音量で存在をアピールしてくるのである。わかった、わかったから黙ってくれ。最近ある事件が発端で僕の部屋が3階から11階へ移ったのだが、このクラブから漏れ聞こえる音楽なんと11階までも熱心に追ってくる。夜1時ごろ、とうとう観念して眠りにつく。

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一日間は凡そこのような調子で過ぎ去っていく。3週間以上が経過しマニラ生活にも徐々に慣れてきたところではあるが、ここで紹介したような場面では外国にいることを改めて実感する(つまり常時実感しっぱなしである)。帰国が近づく頃にはフィリピン料理にも馴染み愛するフィリピン娘もこしらえ日本に帰りたくないなどと喚くこともあろうかとは当初から毛頭思わなかったが、やはりその見込みはないようである。しかしそんな思いを見抜いてか否か、奇しくも帰国日が4日間延期されることとなった(9月4日帰国)。

したがって3週間で第二号までしか配信されなかったハリキリ通信も滞在中にまた配信できるであろう。ネタは腐るほどあるのだ。読者たちの待望論の高まりも感じる。差し当たり第三号では僕を11階へと追いやった事件について、近日中に配信予定である。

それではまた、ごきげんよう。

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写真① EDSA通り:
いつも大渋滞を巻き起こすエドゥサ(EDSA)通り。写真は日曜日の夕方だが、都心へ向かう方向に渋滞が発生している。片側6車線と大変広く、写真左端はジプニー専用レーン、左端から二番目にはバス専用レーンと少しは整備されているが、写真奥のほうにも写っている車線割り込みなどといったマナーの悪さは渋滞を深刻化させる一因となっている。


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写真② SanMiguel:
フィリピンのビールといえばこれ、サンミゲル(San Miguel)。写真はホテル近くのスーパーで購入した5種類。メジャーどころは右上の「Pale Pilsen」と左下の「Light」。全体的に薄口なので女性にも飲みやすいと思われる。値段はPilsenなど安いものが約20ペソ(約45円)、「Premium All-Malt」(真ん中下)など高めのものでも約45ペソ(約100円)と破格。

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※お礼※ 第一号を読んでいろいろ温かいメッセージをくれた皆様、本当にありがとうございました。

※お断り※ でもまだ探り探りです。
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by kan-net | 2009-08-25 19:35 | 通信
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