<   2010年 07月 ( 5 )   > この月の画像一覧
【ハリキリ通信#005】私とウルドゥ語
2010年7月28日
カラチ(パキスタン)ホテルにて

週末のこと。昼下がりのビリーズブートキャンプの後、体重計に乗ると壊れている。取替えにきたホテルマンが動作確認のため試計測したので「65.4kg, OK!」と言ったところ、「NO! NO Sir!」と激しい剣幕で反論され、手にしていた荷物を置いて再計測。確かに彼は63.2kgでした。

----

約11ヶ月ぶりとなった前号、多少おっかなびっくりの発信であったが、思いも寄らぬ多くの方から感想や激励のメールをいただいた。感謝感激である。その声を受けさらに調子に乗って、まだ興奮冷めやらぬうちに第五号を書いてしまう。

前号の末尾にあった「ありえるトピック」の中でも圧倒的な人気を集めたのは目下の予想通り「そしてピクニック」であった。しかし残念ながらこれは急激な治安悪化により実現しなかった(前号の時点で実はピクニックは未実施なのだった)。そこで今回は2番人気の「私とウルドゥ語」。

----

「2010年はカラチに専念してね」とエラい人からの冷徹な宣告を受け、僕は本屋に直行してパキスタンの国語である「ウルドゥ語」の本を探した。想像されたことだったが、やはり、ない。ネットで「旅の指さし会話帳 パキスタン」を取り寄せた。

ウルドゥ語と言われも初耳な人が殆どであろうが、「アッサラーム・アレイコム」というと地理の教科書で目にした覚えがある人もいるだろう。アラビア語と同じで、「こんにちは」という意味になる。返事は「ワレイコム・サラーム」。

ウルドゥ語は言語学的にはインドのヒン(中略)

そうこうしているうち最近では、運転手に行く先を告げるときはウルドゥ語でないと聞いてくれないし、ホテルのドアマンには毎日「とんでもなく元気」と答えないと預けた荷物を返してくれないという事態が発生しだした。先日オフィスで「Thank you」と礼を言ったところ、聞きつけた現地スタッフが横から割り込んできて「Hey Kan, You know what to say, ha?(おい、こういうとき何て言うんだ)」と詰るので「しゅくりあ(ありがとう)」と言い直したところ「More!(お前の気持ちはそんなもんか!)」と怒られ、「ば…ばほっとしゅくりあ(ほ…ほんとにありがとう泣)」とほぼ強制的に言わされた。

ウルドゥ語を覚えたことでかくも不利な立場に置かれるとは完全に想定外の展開である。しかしこうした数々の仕打ちも親愛の裏返しであると信じ、ここはプチジャパン大使の気持ちで大らかに受け止めることとする。

ところで当地にて頻繁に耳にする印象的な言葉は(英語だが)「It’s not my fault.(俺は悪くない)」。役所の官僚からピザ配達の兄ちゃんまで、身分の高低に関わらず何事かあるたびにこの言葉を口にする。こちらとしては誰が悪いのかなど聞いていないし興味もないのだが。常に自らの保身を図る彼らの言葉を聞くにつけ、また他人については平然と批判を展開する様子を見るにつけ、心底うんざりさせられるし未来への展望はますます霞んでいくのである。

----

以上、おわり。「私とウルドゥ語」、思いのほかパンチ力不足。ブートキャンプを頭にぶつけるという荒業でカバーしきれたかどうか。

そして気づけば帰国まで残りわずか(31日夜着)。まだまだネタは尽きないのだが今回カラチからお届けできるのは今号までである。カラチには9月中旬にまた戻ります。それではまた。アッラーハーフィズ(さようなら)。

----

写真① カラチの人々:
俺を撮れと主張してきた人々の写真をぺたぺた並べてみた。主張してきただけあって、みんな良い顔してる。

e0001193_4473113.jpg




------------
上質な苦笑を貴方に-。ハリキリ通信は無料のメルマガ的存在です。ブログに掲載しつつ、熱心な読者の皆様にはメールでも配信する理想のサービスを提供しています。配信先の新規登録および変更、停止はホリキリ即刻対応しますので、ある程度考えた上でご連絡ください。またご意見やご要望につきましても好意的なものをお寄せください。

※お礼※ 随所でご声援いただきありがとうございます。「Kanet」全体よりも「ハリキリ」に対する注目の方が高まりつつあることに緊張感を覚えます。
------------
[PR]
by kan-net | 2010-07-29 05:03 | 通信
今あるものリスト(カラチ時間27日23時現在)
帰国を間近に控え、入れ替わりでカラチ入りする先輩ともろもろの連絡を取り合っている。
先輩はラマダン期間を含む2ヶ月間を当地で過ごすことになるので、
生活環境に関連する情報は重要だ。

そこで「こちらに今あるものリスト」というのを作って送ってあげた。
若手4人がのべ6回の渡航を経てカラチに運搬した物品の数々(多少の現地入手も含む)。

我ながらつぶさ。

----

こちらに今あるもの(カラチ時間27日23時現在)

・お徳用味噌汁20食(かつおだし長ネギ汁6、いりこだし豆腐汁6、こんぶだしわかめ汁8)
・マルコメ君味噌汁6食(わかめ3、油揚げ3)
・マルコメとん汁 生みそタイプ 5食
・野菜スープのもと(現地モノ)3食
・尾西の梅がゆ 梅の風味の、やさしいおかゆ 1食
・味の素KK梅がゆ 肉厚の梅干しを丸ごと入れました。 4食
・おとなのふりかけ焼鮭 1袋
・おとなのふりかけおかかごぼう 1袋
・お茶漬けのり だしの味にこだわった、旨みの強い海苔茶漬けです。5袋
・食物繊維入りこんぶ茶8本
・ほうじ茶 いつでも、どこでもお湯かお水に溶かすだけ!12本
・抹茶入り玄米茶 いつでも、どこでもお湯かお水に溶かすだけ!12本
・緑茶 いつでも、どこでもお湯かお水に溶かすだけ!12本
・緑茶煎茶 水でもお湯でも注ぐだけ 5本 
・緑茶ティーバッグ ティーバッグのひもや個包装を省くことによりコストを下げました。 40袋マイナスいくつか
・つまみ種 源泉10種類 豆がおいしくなりました!6袋詰
・ハッピーバリュー チーズ鱈 1袋
・焼足するめ 北海道近海産真いか使用 1袋
・亀田の柿の種わさび 2袋
・しょうが飴 特製 辛味絶佳 0.5袋
・ホールズリラックスハーブ のどと体にやさしい 1袋
・Marie Biscuits Queen of Biscuits 1箱
・KitKat ChunKy New Foil Fresh 1本
・ポカリスエット 1リットル用5袋
・黒霧島 1.2リットル前後
・黒伊佐錦 0.6リットル前後
・大分むぎっ娘 0.1リットル前後

----

我々がこちらの食生活にたいして如何に怯えて入ってきたかがよくわかる笑。



ところで食品のパッケージってよく見てみるとすごく面白い。
「緑茶」と「緑茶煎茶」が相討ちしてるチャンスなのに
「緑茶ティーバッグ」は何を思ったか明後日の話をしている。
「梅がゆ」対決は、「梅がゆ」である以上わかりきった情報にかかずらわっている尾西を
「肉厚」「丸ごと」という魅惑の2フレーズで味の素が大きく引き離した。
「つまみ種」、豆以外の9種類はどうなった!
「ホールズリラックスハーブ」、喉は体の一部です。
ていうか「ホールズ…」と言われてもそれが飴だなんて全くわからないけど、
「ポカリスエット」はその味まで誰でも想起できる。これがベテランの貫禄というやつか。
[PR]
by kan-net | 2010-07-28 04:58 | 仕事
困ったニュース
パキスタン北部のカーンさんが見つけたお金を返したそうです。

日本客が忘れた大金返す ホテルマン、パキスタンで賞賛
http://www.asahi.com/international/update/0717/TKY201007170338.html


地元紙を読んでみると、カーンさんは取材に対して

「人として、パキスタン人として、モスリムとして当然のことをしただけだ」

と語ったそう。ちなみにカーンさんの年収は約2万円。
さすがにかっこいいぞカーン、僕からもカン賞をあげたいくらいだ。

しかしこれはちょっと言いすぎじゃないか…

「世界の人々に、パキスタン人がみんなテロリストじゃないと知ってもらえたら嬉しい」

大丈夫、みんな知ってるよ(涙)



さてここで何が困ったって、
同じクライアントのもと同じような業務でこの地に来ている我々の身の安全である。
「ああこいつらはこれくらいの現ナマを持っているんだ」という
具体的なイメージが新聞を通して広まってしまった恐れがある。

パキスタン人がみんなテロリストじゃないにしても
うーん、、これは正直に怖い。
今後しばらくはいつも以上に気をつけることにする。


----


ちょっと時間が空いたので買い物に行ってきた。


クルタっっ!!クルタっ!クルタっ!クルタっ!



どうかしら。

e0001193_2095730.jpg




俗世に憧れを抱くとある王子

e0001193_20101075.jpg

[PR]
by kan-net | 2010-07-18 20:13 | 仕事
【ハリキリ通信#004】そしてカラチ
2010年7月15日
カラチ(パキスタン)ホテルにて

前略、計たった三通にしてよもやの廃刊も囁かれた本通信であるが、ふらりと立ち寄った日本で読者達の熱い声援を受けたのに気をよくして復活。約11ヶ月ぶり、ずいぶんご無沙汰でした。今夜あたり、ハリキリ通信の話題が花金の夜を席巻している様子が目に浮かぶ。

久々の通信、舞台はカラチ。パキスタン・イスラム共和国の古都にして今なお国内最大の商都として君臨する大都市。道行く男たちは皆一様に髭もじゃ、気温は40度で湿度は80%という「熱気むんむん」を具現化したようなこの地に二ヶ月間(渡航二回)いて何事もないはずがない。

----

7月2日、約一ヶ月ぶりにカラチへ戻ってきた。容赦なき高温多湿、そこはかとなく漂うカレーの香り、満載にして街中を駆け巡るきらびやかなバス群、、紛れもないカラチである。ここでまた一ヶ月か、よし今回はもっと日本のコンサルとして気概の高いところを…などと物思いにふける僕に、再開を果たした友人たちは容赦なかった。開口一番「Welcome back! How was the trip to Japan!?(おかえり!どうやったジャパン旅行!?)」。いや帰国なんですけど…。口ごたえしようにも、彼らの満面の笑みと抱擁には閉口せざるを得ない。

愉快な連中である。ローカルスタッフは隙を見てはやってきて最近あった「面白い話」をしてくれるし(先日の話は「友人にマンゴーをあげようとしたら、あいつマンゴーアレルギーなんだと!信じられるかいハハハ!」)、邦人へのサービスが長い専属運転手は時折おもむろに「ソウソウ、ココデス。…アホンダラ!」と得意の日本語録を披露してくれる。市街地で見知らぬ強面の男たちが寄ってきて、すわ一大事!と思いきや「俺の写真を撮れ」(ウルドゥ語でよくわからないけど)だった。まことに愛すべき連中である。

といって彼らをまるっと丸ごと愛そうにも風習の違いという壁は高い。打合せに二時間遅れておいて謝罪の念を億尾にも出さないどころか「さあさっさと終わらせて帰ろう」という威風堂々とした態度には辟易させられたし、ランドリーに出した衣服に油性マーカーで部屋番号を書き込むというのは洗濯の概念を根本から覆す革命的試みであるとしか言いようがない。もはや愛や希望ではカバーしようのない現実的な差異であり、これはいつ如何なる状況下でも心朗らかに寛容を保つための修行の一種なのだと思うことにしている。

―さてまだまだ彼らの、パキスタンの紹介したい顔は数え切れないほどあるのだが、今回はここで話題を変えて特に気になる治安のことを少し紹介する。

誰もが漠然と抱くイメージそのままにパキスタンは安全な国とは言えない。毎日の新聞には「昨日の犯罪と事故」という枠があって、カラチ市内の地図を示しながら場所、発生状況、被害者の数と生死などが定型で整理され情報提供されている(今日の情報は2件の銃殺、1件の拉致、1件の強盗、1件の遺体発見、2件の交通事故死、3件の逮捕)。状況は年を追うごとに悪くなっているそうで、我々調査団が外出する際には常に警察の護衛がついている。ずいぶん物騒だがそれでもカラチは未だ安全な方で、北部や北西部ではタリバンによるテロが断続している。愛すべき人々の国ではあるが、これもまた見つめなくてはならないパキスタンの現実の一面である。

そしてますます悲しいのは人々が自国の治安について一切の希望を失っていることである。治安はこれからも良くならないしこんな危険なところへ外国人が来るべきではない、と話す者までいた。さらに人々は、行政は無能であり、警察は悪質であり、そこらへんのショップは悪徳商人で、人ごみの中には犯罪者がいると思っている。ここまで徹底的に自国を信頼できないで、この先に明るい未来を描くのは難しい。今回の仕事を通して、本筋の交通事業での貢献は勿論のことながら、人々の心のどこかにあるこの暗く重い部分に少しでも光と和らぎをもたらしたいと思うようになった。どうすれば良いのかは、はっきりとはわからないけれども。善き人たちの、悲しい国である。

----

…ああ、また長々と考えて長々と書いてしまった。こんなだから次号を書く気が起こらないのだが、書いてしまったのだから仕方ない、送ってしまえ。次号が五文字で終わっても文句を言わないでください。

次号ありえるトピック
・ありえないバス
・ありえた雨
・私とウルドゥ語
・そしてピクニック

稚拙な文章にお付き合いいただきありがとうございました。

----

写真① ナイトカラチ:
滞在中のホテル屋上からの一枚。けっこう大都市でしょ。

e0001193_0102666.jpg


------------
ハリキリ通信は無料のメルマガ的存在です。ブログに掲載しつつ、熱心な読者の皆様にはメールでも配信する理想のサービスを提供しています。配信先の新規登録および変更、停止はホリキリまで連絡すれば対応しますので、ある程度考えた上でご連絡ください。またご意見やご要望につきましても好意的なものをお寄せください。

※お礼※ あたたかい応援の声を下さった方々、ありがとうございました。おかげさまで本号が脱稿しました。
------------
[PR]
by kan-net | 2010-07-16 07:17 | 通信
ありがとうジャパン・・
4週間にわたるジャパン旅行を終えて
カラチに帰ってきました。今回は7月31日までの1ヶ月間(30日間)の予定です。


記録によると
27日間のジャパン滞在のうち
22日間に29回の飲み会(おデート等含む)があり、
のべ118人と杯を交わしたらしい。

実家に帰ることもできたし、
侍ブルーは決勝トーナメントに進んでくれるし、

こんなに充実した日々が過ごせるとは
構ってくれた知人・友人たち、
夢を見させてくれた侍たちに感謝です。



以下は6月20日、不意に自分が何者かわからなくなって
自分探しの旅に出てしまった(ウソ)時の写真。



江ノ電

e0001193_16463294.jpg




長身イケメン

e0001193_16484269.jpg




アジサイ

e0001193_16581033.jpg




バラ

e0001193_172155.jpg




この病院

e0001193_16583499.jpg




生まれたときに住んでた家までたどり着くことができ、
ああこの家に住んでいたってことはきっと私は本当に日本人
と確認することができたのでした。
[PR]
by kan-net | 2010-07-04 16:30 |