げんしゃ
5年半前、東京で一人暮らしを始める時に何冊かの本を持ってきた。
そのほとんどは資料集。
日本史、世界史、現代社会、地理と、家庭科の資料集。あと英語の文法書。
何かの役に立つことがあるかも、というだけのことだが。

先日ふと現代社会の資料集を手にしてみた。


表紙。

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れっきとした現代社会の資料集なのにいきなり「現社」である。
「代」と「会」の入る余地も十分あったろうに。


中をペラペラ見てみる。

「仕事とは何か」
ねらい:生きがいに結びつく職業を選択するために,職業の持つ意味,現代の職業が当面している問題,自分の職業に持つべき意識とは何か理解を深めよう。

「よく生きるために」
ねらい:よりよく生きるために,理想をプラトンから,人間らしいあり方をアリストテレスから,人間としての尊さをカントから,自由と責任についてサルトルから学ぼう。

「幸福な人生」
ねらい:幸福とは何だろうか。どうすれば幸福になれるか考えてみよう。また,人間は一人だけでは幸福になれない。社会の幸福について,先哲の考えを通して学び取ろう。

「人生における愛の意義」
ねらい:愛は,恋愛,友情,師弟愛,親子愛,人類愛などさまざまな姿を見せるが,その本質は何か考えよう。そして愛が人生においていかに大切なものであるかについて,理解を深め,その実践について考えよう。


深い!!

たいへん勉強になりそうだ。今度じっくり読もうと思う。


なお普段から書物には何も書き込まない主義の僕であるが、
時おり気まぐれに書き込みやマーキングをすることがある。
この資料集にもいくつかのマーキングが見つかった。


・「世間は虚仮なり,唯仏のみ是れ真なり」
  聖徳太子の言葉。仏教の受容の過程について、聖徳太子の思想を振り返る節にて。

・「インフラストラクチャー」
  社会資本の節、生活関連施設の国際比較をするグラフにて。

・「国税」
  財政の役割を説明する章、租税に関する節にて。

・「宴のあと」
  三島由紀夫の小説。自由権的基本権の章、プライバシーと表現の自由に関する節にて。


「インフラストラクチャー」にマークをつけていたことに大変な驚きがあった。
当時まだ高校2年生かそこらである。
そのころからインフラにそんなに興味があったろうか。

あった。確かにあった。
中学生くらいから都市計画を通して環境問題に取り組みたいと思っていた。はず。
きっと「インフラストラクチャー」という単語を認識しておらず、覚えるためマークしたのだろう。
ほほえましいぜ。

その他3つのマーキングの意味は不明。
「世間は虚仮なり~」は後半部が仏教徒でない僕にはどうもピンとこず。
「国税」は…なんとなくエゲツナイな。

「宴のあと」はこのマーキングの発見を機に読んでみたが、
主人公よりもその旦那「野口」が気に入った。
わかったことは、「野口」を気に入るような自分は政治に不向きだということ。
そんなメッセージを高校時代の自分から送られるとは。おみそれ。



それにしてもこの資料集、全編通して章立ての構成や文章の書き方など、
かなり作りこまれている。
高校生時分はそんなこと全く気にかけず、のほほんと読み散らかしたものであるが、
たとえ読者がそんなお気楽高校生であろうと伝えるべきことを誤解なく正確に伝えるべく
洗練し尽くされたこの資料集。
その仕事の姿勢に惚れた。惚れたぜ。やっぱり仕事はこうでなくてはね。


「最新図説 現社」。
思いがけない教材が見つかった。今後ちょっと真剣に目を通していこうと思う。
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by kan-net | 2008-10-26 01:04 | 暮らし
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