東海道五十三次 第十七日
東海道の旅、第十七日。魅了溢れる三重県に別れを告げて滋賀県へ。若干、予期せぬ形で。

日程に余裕のある現状。ガイドブック上ならば二日半で行く距離に対して僕は三日半を残していたので、今日ものんびり二つ分だけ歩くことにした。そして宿について、当初は夕方まで歩いてから探していた僕だが、最近では旅館の料理を食べたいがゆえに午前には予約の電話を入れるようにしているので、今朝もさっそく目当ての旅館に電話したところ「改装していて休業中」との衝撃回答。周辺に探すも、ない。急遽、今日は三つ先まで進むことに予定変更した。そして若干慌てながら朝9時35分に出発。

心配していた雨は昨晩のうちに止み、たまに雪が降りかかるものの天気予報は「曇りのち晴れ」と言う。レインウェアを着ずに出発していた僕が、何か様子がおかしいと気付いたのは出発して約30分が経過したころだった。前から横からそして下から、激しく吹きつける雪。僕はいつの間にか吹雪の中を歩いていた。それからさらに約30分歩いたところで見つけた観光施設に転がり込んで聞くに、鈴鹿峠の方では朝から吹雪なのだそうだった。山を甘く見ていた。

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レインウェアを着込んで暫し休ませてもらったが、吹雪が弱まる気配は一向にない。意を決して外に飛び出し、午前11時、第四十八の宿場、坂下宿に到着。前の宿場からの距離は約6.5km、所要約1時間10分、歩数8276歩。

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ここから先が、東海道の三大難所の最後の砦、鈴鹿峠の本番である。…のだが、ひらけた舗装道路で猛威を振るっていた吹雪が、この峠道に入ってピタっと止んだのだった。というか外側では依然として猛々しく吹雪いているのだが、この峠道ではほとんど風すらも感じないのだった。最後の難所は確かにきつかったけれども、なんだか逆に僕を守ってくれているような気がして、自然崇拝という思想のあり方に改めて納得した。

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峠の頂点に達したところに三重県と滋賀県の県境標識。そう、ここで三重県とお別れなのだった。数々の魅力を見せつけてくれた三重県、最後には山の厳しさと温かさを教えてくれたんだね。ありがとう三重県、でも最後の吹雪はちょっとやり過ぎだったよ。とは言えありがとう三重県。

そして僕は滋賀県にお邪魔した。峠道は県境で終わり、再び吹雪の中で手荒な歓迎を受ける。体力と体温を奪われる過酷な旅路が続き、この時、僕は人がいかに遭難するのかを知った気がした。休みたいけど立ち止まるとさらに体温を奪われてしまう、でも休みたい。ここで足が出なくなったらアウトなのだろう。僕は、もし動けなくなったところを誰かに見つかって救助車に乗せられてしまうなんてことになったら絶対にイヤだ!まだ車には乗りたくない!という強い気持ちを糧に前進を続けた。

そして午後1時25分、第四十九の宿場、土山宿に到着。前の宿場からの距離は約9.7km、所要約2時間25分、歩数14733歩。このころには次第に吹雪も弱まっていた。

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冷え切っていた僕は近くにあった蕎麦屋に駆け込んで温まった。そこが歴史的な建物を改造した有名な食事処うかい屋で、僕が食べたのが名物の鴨南蛮そばであることは、食べ終わって店を出る直前に知ったのだった。早く言ってよねー!

店を出たころには晴れ間ものぞき始めていた。体調も回復して順調に歩みを進め、午後4時35分、第五十の宿場、水口宿に到着。前の宿場からの距離は約10.5km、所要約2時間35分、歩数17419歩。いよいよ五十番台に到達である。

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そして町を少しだけ散策してから、午後5時10分、あや乃旅館に投宿。期せずして長く厳しくなった今日の旅路を終えた。


感想。山の天気は変わりやすかった。まさかあそこまで激しく吹雪かれるとは想像していなかったので不意を突かれたが、最終的には山に守られるかたちで難所を通してもらうなど、完全に手玉に取られた一日だった。これも三重県の最後のひとネタだったのかしらん。

滋賀県の人たちは今のところ三重県ほどの押しはないが、とてもよく挨拶をしてくれて気持ちが良い。しがない旅人である僕に何人もの子供や大人が声をかけてくれる。うちの子もちゃんと誰にでもあいさつできるように育てていきたいと思った。おらんけど。


本日の通過宿場:四十七、関宿(出発)~四十八、坂下宿~四十九、土山宿~五十、水口宿(到着)
本日の歩行距離:約29km(GPS経路データより)
本日の歩行時間:約6時間45分
本日の歩数:43592歩
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by kan-net | 2013-02-14 03:04 |
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