東海道五十三次 第十五日
東海道の旅、第十五日。旅も第三週に突入、そろそろ疲れが色濃く出てきた。

今回の旅はお尻が決まっている。2月16日土曜日のお昼ごろに京都の三条大橋に着くこと。そしたら昼には予想以上に大勢の人たちが到着式と祝賀会に出てくれて、夜には親友夫婦が一見さんお断りのハイソな肉料理屋へ連れて行ってくれることになっている。それに対して僕は今朝の時点で桑名におり、ここから三条大橋まではガイドブック上では四日間で行けることになっている。つまり一日半の余裕がある。この先はうまく時間を使いながら、これまでとは打って変わってのんびりした旅路を進めていこう。

旅程の計画において重要な要素となるのは宿である。第八日に金谷行を断念して島田に留まったように、ちょうど良いところに宿がなければ道を進めることはできない。今日の目的地としては距離からして第四十四の宿場、石薬師宿が良さそうだと目星をつけ、ネットで検索したところ川の向こう側に天然温泉付きのホテルが見つかった。そのまま予約し、安心して旅路を再開したのが朝9時55分。天気雨のぱらつく中、悠然とした出陣であった。

いよいよ疲れがずっしりと溜まってきている。前進はしているのだがスピードが上がらない。まあもうスピードを上げる必要はないので無理せず遅々とした前進を続け、午前12時55分、第四十三の宿場、四日市宿に到着。前の宿場からの距離は約12.5km、所要約3時間、歩数20812歩。宿場の遺構を探すも見つからず。

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天気雨は時おり天気雪に変わったりしながらパラパラと続いていた。思えば初日の朝も天気雪が舞っていたが、すでに二週間の時が流れて随分遠い昔のことのような気がする。のんびりゆるゆると旅路を続けて、午後4時25分、第四十四の宿場、石薬師宿に到着。前の宿場からの距離は約10.7km、所要約3時間、歩数19608歩。小さいながら文化遺産を大切にした小粋な町だ。

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さてここで今日はオシマイ、とホテルに向かう。途中までは東海道沿いを進むので、おやこれは次の宿場も近いのでは?と思ってアンドロイド先生で調べたところ、ホテルよりも宿場の方が近いと判明した。

悩んだ。今日は石薬師宿くらいにしておかないと旅程を進めすぎるし、予約したホテルは天然温泉つきだ。このままホテルに向かおうと東海道を離れる。しかし次の宿場がすぐそこだというのに東海道を離れていいのか、というか川の向こうのホテルでは宿場町のホテルとは言えないのではないか。もともと自己満足の旅だ、決められたルールなど何もないけど、わだかまりは残したくない。ガイドブックを見ると次の宿場の旅館が紹介されていて、電話してみると空室があった。ええいままよ。そのまま予約をお願いして、踵を返して東海道へ復帰。

既に陽はほぼ姿を隠し、気温も下がりつつあった。三連休を終えて名古屋方面へ戻ろうと渋滞している車列のライトに照らされながら国道一号線を西進。そして暗闇の中、ようやく午後5時55分、第四十五の宿場、庄野宿に到着。前の宿場からの距離(無駄足のなかった場合)は約2.7km、所要約1時間30分、歩数9335歩。

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さあいよいよ宿へ急ごう、とアンドロイド先生で位置確認をして判明したこと。それは今朝予約したホテルと先ほど予約した旅館は数百メートルしか離れていないご近所という衝撃の事実。この距離のためにキャンセル料を払うとは、なんという間抜け。しかも結局こっちも川渡っとるし、とがっかり。しかしまあ確かに庄野宿の宿としてガイドブックで紹介された旅館なので、それはそれで良いのだ、と自分に言い聞かせる。

旅館いすゞに辿りついたのが午後6時25分。すっかり遅くなってしまい、疲れた僕を待っていたのは…またもや場外戦を得意とする三重県民だった。

「すぐに晩御飯でいい?」と言うのでハイと答えたところ、ものの10分で持ち込まれた晩御飯。せっかくご用意いただいたので温かいうちにと思っていると、旅の目的や仕事について尋ねる女将。さらにヒートアップした女将はご自慢のご子息について、優秀な学業成績を収めたことや授業参観で間違ったクラスに行ってしまったエピソードなどを惜しげもなく披露。しばらくして女将が退散したと思ったら、今度はご主人が入ってきてご自慢のご子息について、巨大外資企業の内定を蹴ったことや彼に対して掲げてきた教育哲学を惜しげもなく披露。そのうち一緒にテレビを見始める始末。結局落ち着いて食事できたのはみんな料理が冷え切ってしまってからだったけど、心が温まっていたから美味しかったよ。とキレイにまとめてみる。


感想。疲れが溜まったことで歩きに力が入らなくなったのと、どうも頭の働きも鈍ってしまったようだ。宿の一件はちょっと衝撃だった。しかし信念を貫いたので、後悔はない!

それにしても三重県民はどうしてこんなに面白いのか。ぐいぐい来る。同世代の三重県民の友人たちはどちらかというと控えめで落ち着いた印象だが、親世代の彼らはぐいぐいと入ってきて必ずひとネタふたネタ披露していく。関西的ということか?この三重県民の特性については今後も引き続き観察していきたい。


本日の通過宿場:四十二、桑名宿(出発)~四十三、四日市宿~四十四、石薬師宿~四十五、庄野宿(到着)
本日の歩行距離:約36km(GPS経路データより)
本日の歩行時間:約8時間
本日の歩数:52433歩
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by kan-net | 2013-02-12 01:12 |
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