東海道五十三次 第五日
東海道五十三次の旅、第五日が終了した。

荷が重すぎると知った第一日。荷を下ろしてストイックに攻めた第二日。箱根路に滅多打ちにされながら上り詰めた第三日。箱根路の小ネタに戸惑いながらも下りきった第四日。そして第五日、今日は「三十路男子の悠々自適散歩」とでもいったゆるい一日だった。

出発は朝9時半。既に箱根路で作った旅程上のアドバンテージが十分にあるので、のんびり歩く。ただし、これは強く固執するつもりのないルールだが、時間があっても寄り道は極力しない。名所旧跡が近くにあっても特に立ち寄らない。寄り道を始めてしまうとまとまった時間を使ってしまい(というか使わないと名所旧跡をちゃんと見られない)、今回の最大の目的である東海道歩きの時間に余裕がなくなってしまうから。食事や宿もできるだけ街道沿いにしている。

ちなみに今更だが、僕はあまり東海道のことをよく知らない。ただし、江戸時代に整備された日本最大の主要街道であり、それから約400年の間にきっと数百万、数千万、あるいは億以上の人がその足で東京から京都、あるいは京都から東京にかけて歩いた道というものに興味がある。宿場町に沿って暮らしていた人たちも入れると、確実に億どころでない足跡が、この街道には刻まれている。僕はただ、僕もその道を自分の足で歩いてみたいと思ったのだ。

右手に富士山が美しい。本当に美しい。電線が視界の邪魔をするが、富士山との距離は昔も今も変わらない。昔の旅人達はこの富士を見て何を思ったのだろうか。現代を生きる僕は電線の地中化や建物の規制を進めてほしいと思うが、そんな東海道マニアのための政策を果たしてどうやったら実現できるのか。

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そうこう考えながらぷらぷら歩みを進めていると、あっさり到着してしまった。午前11時10分、第十三の宿場、原宿。前の宿場からの距離は約5.9km、所要約1時間30分、歩数10038歩。

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原宿ねぇ、原宿。そういえばここまでのどっかの日に新宿も通過したなぁ。見附とかそこら中にあるし。地名なぁ…。などと考えていたところで、ヤキソバ屋さん「う宮」に入った。ここでついに!いつか出るかと思っていた会話が実現!

「お兄さん、どこから?」
「今朝は沼津からですけど、東京から一気に京都を目指していて、今日が五日目です」
「あーそう!珍しいねえ!休みの日にちょっとずつって人はたくさんいるけど、一気に行く人はこれまで1人か2人しか見てないや!」

東京でこれを話すとウツケ者扱いされる、横浜で話すと変わり者、小田原あたりでは「ふーん…」、箱根では「んーでもまだまだ始まったばかりだね」で、ようやく沼津あたりから旅人として認めてもらえるだろう、というイメージでいたので、ばっちりのタイミングでご主人とこの会話ができて、大満足だった。タモさんも一押しというヤキソバもとても美味しかった。

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お腹も心も満たされて外に出ると、天気予報通りに空では次第に雲が広がってきて、歩き始めるとたまに雨がパラパラと落ちてくるようになった。なので心持ちペースを上げて歩き続けていると、ちょうど新幹線の高架下を通り抜ける箇所に到着。初日に新橋あたりで交差して以来の新幹線高架だったので、どれほどの速さで走ろうというのか、どれ見てやろうと立ち止まっていると、それはそれはもう、、物凄いスピードでズバァーーーッーッーッーッーッッッ…とかいって走り抜けていった。

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昔の人が13日間、僕が20日間かけて歩く道のりを、今では新幹線がたったの2時間半で結び、それも千人規模の人を乗せて約10分毎に運行しているというのだから、全くもう、こんなの見るんじゃなかった!

そこを過ぎると左富士の景勝地なのだが、あいにくの空模様で見られず。午後3時15分、第十四の宿場、吉原宿に到着。前の宿場からの距離は約11.7km、所要約3時間、歩数18148歩。そしてかなり早いけど、このままここ鯛屋旅館に泊まることに。

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鯛屋旅館は1682年創業とのこと。江戸時代からいったい何人の旅人達がこの宿に泊まったのだろうか。とても古めかしく趣のある宿で、今夜は僕も旅人の仲間入りである。


感想。アドバンテージを活かしてゆっくり歩いたので身体はラクだった。午後から天気が下り坂で、明日も午前は雨というのがちょっと憂鬱。しかし昔の旅人も雨中を歩いたことだろう、甘んじて受け入れるしかない。

歴史ある道を歩き、歴史ある宿に泊まる。今日はなんだかそんな日だった。


本日の通過宿場:十二、沼津宿(出発)~十三、原宿~十四、吉原宿(到着)
本日の歩行距離:約20km(GPS経路データを元にGoogleEarthで計測)
本日の歩行時間:約4時間30分
本日の歩数:28186歩
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by kan-net | 2013-02-02 01:49 |
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