虞美人草
夏目漱石さんの「虞美人草」を読んだ。

ついこないだ「安土往還記」を読んだばっかりじゃないか!やっぱり読書家ね!!

と思われがちだが(←誰にだ)
実は虞美人草はこちらに到着した1月20日から読んでいたので
1ヶ月以上かかった。




以下、夏目漱石さん『虞美人草』より印象的だった節を抜粋。
(こういうの、著作権とかで問題あるでしょうか。あるようだったら、ご指摘いただけると幸いです、すぐ消します。)


不都合な状況に追い込まれたご都合主義者・小野さんの気持ち。

進んで自然の法則を破る程な不料簡は起さぬ積である。然し自然の方で、少しは事情を斟酌して、自分の味方になって働いて呉れても好さそうなものだ。[夏目漱石「虞美人草」より]

わかるわーー小野さん、わかるわーーー。


そんなご都合主義者・小野さんに更なる危機が訪れる(自ら危機を招いてしまう)。
そこに駆け付けた宗近君の言葉。

「こう云う危うい時に、生まれ付きを敲き直して置かないと、生涯不安で仕舞うよ。いくら勉強しても、いくら学者になっても取り返しはつかない。此処だよ、小野さん、真面目になるのは。世の中に真面目は、どんなものか一生知らずに済んでしまう人間が幾何もある。皮だけで生きている人間は、土だけでできている人形とそう違わない。真面目がなければだが、あるのに人形になるのは勿体ない。真面目になったあとは心持がいいものだよ。君にそう云う経験があるかい」

「なければ、一つなって見給え、今だ。こんな事は生涯に二度とは来ない。この機をはずすと、もう駄目だ。生涯真面目の味を知らずに死んでしまう。死ぬまでむく犬の様にうろうろして不安ばかりだ。人間は真面目になる機会が重なれば重なる程出来上ってくる。人間らしい気持がしてくる。―法螺じゃない。自分で経験して見ないうちは分らない。僕はこの通り学問もない、勉強もしない、落第もする、ごろごろしている。それでも君より平気だ。うちの妹なんぞは神経が鈍いからだと思っている。成程神経も鈍いだろう。-然しそう無神経なら今日でも、こう遣って車で駆け付けやしない。そうじゃないか、小野さん」

「僕が君よりも平気なのは、学問の為でも、勉強の為でも、何でもない。時々真面目になるからさ。なるからと云うより、なれるからと云った方が適当だろう。真面目になれる程、自身力の出る事はない。真面目になれる程、腰が据る事はない。真面目になれる程、精神の存在を自覚する事はない。天地の前に自分が儼存していると云う観念は、真面目になって始めて得られる自覚だ。真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ。遣っ付ける意味だよ。遣っ付けなくっちゃいられない意味だよ。人間全体が活動する意味だよ。口が達者に働いたり、手が小器用に働いたりするのは、いくら働いたって真面目じゃない。頭の中を遺憾なく世の中へ敲きつけて始めて真面目になった気持になる。安心する。実を云うと僕の妹も昨日真面目になった。甲野も昨日真面目になった。僕は昨日も、今日も真面目だ。君もこの際一度真面目になれ。人一人真面目になると当人が助かるばかりじゃない。世の中が助かる。-どうだね、小野さん、僕の云うことは分らないかね」[夏目漱石「虞美人草」より]


宗近君…かっこええーーーーーーーつえええええーーーー



真面目。真剣勝負。人間全体の活動。頭の中を遺憾なく世の中へ敲きつける。

自分は真面目が取り柄と思っていた。
だけど、そういう意味で「真面目」になる機会が、減ってきている気がする。
このブログなんてまさに口が達者に働いているだけみたいなものだし。



時々真面目になるようにしよう。そうして平気で生きていこう。



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昨日もアンマンではデモがあったそうだ。
このところ毎週続いている反政府デモに対して政府側も手をこまねいている
わけにもいかず、昨日のデモでは政府から参加者にコーラやスプライトといった
ソフトドリンクがふるまわれたらしい。みんなハッピーだった、とドライバーの話。
平和だ。



ヨルダン出張のこり3週間。
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by kan-net | 2011-02-27 07:21 | 読書
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